バイオシミラーについて
バイオシミラーってなに?
医療の進歩に伴い、関節の病気や免疫の病気など、さまざまな疾患で「バイオ医薬品」と呼ばれる新しいタイプの薬が使われています。「バイオ医薬品」は高い有効性を持つ一方、複雑な技術で製造されるため、薬代が高くなる傾向があります。そのため、「バイオ医薬品」をもとに開発され、同等の品質・効果・安全性が確認された後続品「バイオシミラー」が登場しています。
「バイオシミラー」は、治療の選択肢を広げるとともに、医療費や自己負担の軽減につながる可能性があります。
「バイオ医薬品」と「バイオシミラー」について、わかりやすくご紹介します。
「バイオ医薬品」
ヒトや動物、微生物などの生きた細胞を利用して作られる薬のことです。
がんやクローン病、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ、乾癬、低身長症、糖尿病、腎性貧血、骨粗しょう症、加齢黄斑変性などの病気では「バイオ医薬品」が開発され使用できるようになったことで、治療の効果が飛躍的に向上しました。
- 生物由来のため構造が複雑
- 高い有効性を持つ
- 一般的に薬価が高くなりやすい
こうした特性から治療の幅を広げる一方で、医療費(自己負担を含む)が大きくなることがあります。

「バイオシミラー」
すでに販売されている「バイオ医薬品」の特許が切れた後に、別の製薬会社から発売される薬です。
普通の薬のジェネリックに相当しますが、もとの「バイオ医薬品」と同等・同質の品質・安全性・有効性を有する医薬品であることが臨床試験で確認されています。
- 厚生労働省の厳しい基準で承認
- 世界的に利用が拡大
- 患者さんの治療効果を確保しつつ、より低価格で提供されることが多い
こうした特性から、先行品と同様に治療に使える一方で、医療費(自己負担を含む)の軽減につながる可能性があります。

「バイオシミラー」の安全性と品質について
「バイオシミラー」は生きた細胞を利用して作られる薬であるため、化学反応を利用して作られる普通の薬と異なり、作るたびにごくわずかな違いが生じます。
しかし、このわずかな品質の違いは、有効性や安全性に影響を及ぼすことがない許容範囲内にあると判断されています。
「バイオシミラー」を開発する際には、化学的な性質や物質の構造・品質、薬としての働きなどについてさまざまな試験を行い、もとからある「バイオ医薬品」と同じ性質・同じ働きをすることが確認されます。
さらに、患者さんの治療に使用した場合に効果や安全性に違いがないことを臨床試験で確認されます。発売後にも副作用の発生状況や効果について調査が行われます。安全性と品質について心配はありません。(もとからある「バイオ医薬品」でも同じことが言えます。)

「バイオシミラー」と「ジェネリック医薬品」との違い
特許が切れた後に発売される薬として、「ジェネリック医薬品」が知られています。
「バイオシミラー」も同様の位置づけの薬ですが、「ジェネリック医薬品」とは、区別して扱われています。

「ジェネリック医薬品」は、薬品を化学反応させて作る薬で、特許が切れた薬と同じ有効成分を同じ量含んでいます。
一方、「バイオシミラー」は、複雑なタンパク質を有効成分とする医薬品であるため、特許が切れた薬と全く同じものを作ることができません。
そのためバイオシミラーでは、先発医薬品と構造にわずかな違いがあっても、有効性や安全性が同等であることを確認する必要があります。
この確認には多くの試験が必要となることから、バイオシミラーでは、こうした特性を踏まえた制度のもとで取り扱われています。

バイオシミラー使用による薬剤費軽減の例

バイオシミラーを使用するメリット
自己負担が少なくなることがあります
バイオシミラーは、先行品より薬価が低めに設定されることが多く、医療費(自己負担を含む)が軽くなる可能性があります。
医療費全体の負担を減らす助けになります
国でも普及を進めており、社会全体の医療費を抑える取り組みの一つになっています。
品質・安全がしっかり確認されています
- 作るときの品質を厳しく管理
- 効果や安全性の試験を実施
- 国の厳しい審査を合格
このように、安心して使えるお薬です。
バイオシミラーへの切り替えについて
バイオシミラーを使うかどうかは、強制ではなく、医師と相談して決める任意の選択です。
判断ポイント
- 医師が医学的に問題ないと判断できるか
- 現在の治療が安定しているか
- 副作用の心配がないか
- 本人の希望があるか
- 費用面でメリットがあるか
- 投与方法や使い方に大きな違いがないか
これらをふまえて、処方(どの薬を使うか)が決まります
よくある質問
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Q1
バイオシミラーは、今までの薬より悪くなることはありませんか?
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A
悪くなる心配はありません。安心してお使いいただける薬です。先行バイオ医薬品と同等の有効性・安全性が確認され、国の承認を受けた医薬品です。
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Q2
自分の薬がバイオシミラーに切り替わるのですか?
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A
自動的に切り替わることはありません。
切り替えの可否は、医師と相談のうえ、ご本人の意思で決めるものです。
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Q3
切り替えた場合、治療は変わりますか?
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A
治療方針は変わりません。
注射の方法など、通常は先行品と同様です。
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Q4
費用は安くなりますか?
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A
医薬品価格が異なるため、自己負担が軽減されることがあります。
詳しくは医療機関・薬局でご相談ください。
健保からのメッセージ
バイオシミラーの活用は、「加入者の皆さまの負担軽減」「みんなの保険料を守ること」につながる、重要な取り組みです。
健保としても、皆さまが安心して治療に向き合えるよう、正しい情報をわかりやすくお届けしていきます。
ご相談について
このページの内容は、加入者の皆さまに治療の選択肢としてのバイオシミラーについて知っていただくための情報提供です。
具体的な治療方法や薬の変更に関するご相談は、かかりつけの医師・薬剤師にお尋ねください。
なお、バイオシミラーに関する基本的な内容のご質問は、パナソニック健康保険組合専属の薬剤師
(直通:06-6992-5138)にご相談ください(月・木 10:00~15:00)。