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自分や家族を守るために、知っておきたいインフルエンザ対策2025.10.01

松下記念病院
感染制御室
感染管理認定看護師

中西夕香

インフルエンザに感染すると、高熱、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などの様々な不調が発生します。
インフルエンザはこれらの症状が出る1日前には他の人に感染させるため、感染が拡大しやすく学級閉鎖などをおこします。
また、子供や高齢者など免疫機能が弱くなっている人は重症化しやすく、命にかかわることもあります。
対策は意外とシンプル!自分を守ることが、周囲の人を守ることにつながります。

インフルエンザはいつから流行するの?

気温が低く、空気が乾燥する冬に流行します。概ね11月頃に流行し始め、1月~2月にピークを迎える傾向にあります。

※厚生労働省は2025年10月3日に「定点当たり報告数が流行開始の目安である 1.00 を上回り、流行シーズン入り」と報道発表しました。

どうやって感染するの?

感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」です。

飛沫感染

①感染者の咳やくしゃみ、つばなどの飛沫と一緒にウイルスが放出

②別の人が、そのウイルスを口や鼻から吸い込み感染
飛沫は会話で約1~2m、咳で約3m、くしゃみで約5m飛ぶ

【主な感染場所】学校や職場、満員電車などの人が多く集まる場所

接触感染

①感染者が咳やくしゃみを手で押さえる

②その手で周りのものに触れて、ウイルスが付く

③別の人が、そのものに触ってウイルスが付着

④その手で口や鼻を触って粘膜から感染

【主な感染場所】電車やバスのつり革、ドアノブ、スイッチなど

予防法を教えて!

①正しく手洗い(手指消毒)

帰宅時や食事前などは、石けんを用いて手を洗いましょう(手洗いによって物理的にウイルスを洗い流せます)。
また、いつでもどこでも効果的に手指消毒ができるので、病院ではアルコール消毒剤の利用を推奨しています。
アルコール消毒剤の多くには保湿剤が含まれているため、実は手荒れの心配も少ないです。

  • いつでも、どこでも→アルコール手指消毒剤を利用
    「流水と石けんでの手洗い」よりも除菌効果が5~50倍ほど高い
  • 目に見える汚れがある→流水と石けんでの手洗い

正しい手指消毒の方法はこちら(厚生労働省ホームページPDF)

②ワクチン接種

インフルエンザワクチンを接種することで、発病の可能性を減らすことや重症化を予防することが期待できるとされ、以下のような報告があります。

  • 発症(症状発現)を約50~60%減少させる
  • 重症化を防ぎ成人の入院を約70%減少させる
  • 高齢者の死亡リスクを約80%減少させる

※ワクチンを接種してもインフルエンザに罹る場合はあります。

※パナソニック健保ではインフルエンザワクチンの助成金はありません。

③十分な栄養と睡眠をとる

免疫力を高めて、かかった時にも症状が軽く済むようにしましょう。

④適度な湿度(50~60%)を保つ

インフルエンザウイルスは湿度の高い環境に弱く、21℃の室内で湿度65%の状態を16時間保てば、99%ウイルスの増殖力や感染力が低下するとの研究もあります。

~湿度を保つ方法~

  • 洗濯物や濡れタオルを室内に干す
  • 器に水を入れて置いておく
  • 霧吹きの水を使う
  • 観葉植物を置く
  • 入浴後の浴室のドアを開けたままにしておく
⑤インフルエンザ流行期は人混みを避ける

宴会・イベントなどは流行状況に合わせ、参加の判断をしましょう。(体調の悪い時は参加を辞退)
また、やむを得ず外出して人混みに入る可能性がある場合には、マスクを着用しましょう。(自身がウイルスを保有している際に他者への感染を防ぐとともに、飛沫の吸い込みもある程度防げる)

⑥換気と環境を清潔に

湿度や温度を調整してもウイルスが生存している可能性があるので、部屋の換気・清掃はまめに行いましょう。

~周囲への感染拡大防止の基本は、咳エチケット~

咳エチケットとは、咳やくしゃみが出た時に周りの人へ病気をうつさないためのマナーです。

3つの咳エチケット 
電車や職場、学校など人が集まるところでやりましょう

しっかり備えて、この冬を健康に過ごしましょう!

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