今日の行動が、あなたの眠りを変える!
〜日中のちょっとした意識で眠りの質を高めよう〜2025.12.01

-
松下記念病院
リハビリテーション療法室
理学療法士中村香織
こんなこと、ありませんか?
- 朝目覚めたときに休まった感覚がない
- 日中の眠気が強い
- 寝床で過ごす時間が長い

実は、日中の行動が睡眠に影響するのです!!
良い睡眠には運動が大切!
運動習慣がない人は、睡眠休養感(睡眠で休養がとれている感覚)が低いことが分かっています。
そのため、適度な運動習慣により日中に身体をしっかり動かすことは、睡眠の質を高める効果があります。
出典:「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(厚生労働省)
~運動強度と運動時間~
中強度の運動(息が弾み、汗をかく程度の運動)は、主観的な睡眠の質や寝床に入ってから眠りにつくまでの時間、睡眠時間、睡眠効率の改善に効果があります。
ただし、過剰に強度の高い運動は睡眠を妨げるため、やりすぎには注意が必要です。
具体的には、筋力トレーニングや有酸素運動が睡眠の質を高める運動としておすすめです。
- 筋力トレーニング
-
<お家でできる筋力トレーニングの例>

- 仰向けに寝て、両手は体の横に置く。
- 片足を床からゆっくり持ち上げる(膝は伸ばしたまま)。
- 約45〜90度まで上げたら、ゆっくりと元の位置に戻す。
- 反対の足も同様に行う。
- 左右交互に10〜15回×2〜3セットが目安。

- 横向きに寝て、下側の腕は枕代わりに頭の下へ、
上側の手は体の前に置いてバランスを取る。 - 両足をまっすぐに伸ばし、上側の足をゆっくりと持ち上げる。
- 約30〜45度まで上げたら、ゆっくりと元の位置に戻す。
- 左右それぞれ10〜15回×2〜3セットが目安。

松下記念病院の公式YouTubeチャンネルでは、他の筋力トレーニングもご紹介しています。
ぜひご覧ください!
- 有酸素運動
-
週に3〜5日、1000歩から目標歩数を目指して歩きましょう!
早歩きも取り入れると、さらに効果が高まります!
☆いつもより10分多く動くことから始めましょう!

いつもの生活より、10分多く動きましょう!
10分歩くと、約1,000歩になります。閉じこもりがちな方は、10分だけ外に出てみるだけでも構いません。
買い物のときに10分多めに歩く、家事を10分多く行うなど、なんでもいいのです!!日常の中で、できることから意識してみましょう!
出典:「アクティブガイド - 健康づくりのための身体活動指針 -」(厚生労働省)を加工して作成
姿勢が悪いと睡眠の質が低下!
猫背や巻き肩、ストレートネックといった姿勢の乱れは、睡眠の質を低下させる要因のひとつです。
~猫背・巻き肩~
猫背になることで、骨盤が後傾し、股関節が曲がって膝も曲がりやすくなり、伸ばしにくくなります。

巻き肩の状態で横になると、肩が上がり、首も前方に突出してしまうため、リラックスしにくくなります。
~ストレートネック~
本来、首の骨は重い頭を支えるために、ゆるやかなS字カーブを描いて湾曲しています。しかし、うつむいたり前かがみになったりする姿勢が続くと、頭の位置が前に出て、首の骨がまっすぐな状態になります。これがストレートネックです。
パソコンやスマートフォンを日常的に使用している方は、首がまっすぐ伸びた状態で固定されやすく、ストレートネックになりやすい傾向があります。この状態では、首にかかる負担が通常の約5倍になるともいわれています。首まわりの筋肉が硬くなり、重度の首こりや肩こりを引き起こすと、睡眠の質にも影響を及ぼします。
正しい姿勢を意識しましょう。
背もたれを活用して深く座る
骨盤を立てて、首や肩の負担を軽減
長時間の作業は避ける
1時間に1回は立ち上がってストレッチ
椅子と机の高さを調整
肘を90度程度曲げた状態が目安
適度な運動と普段の姿勢を意識して、良い睡眠を手に入れましょう!
