診療科・部門

診療科のご紹介

血液内科

特色

当院は日本血液学会認定研修施設であり、完全無菌室2床、準無菌室3床を備え、血液悪性疾患を中心に血液疾患全般を診療しています。2011年度の主な新規入院患者さまは、急性骨髄性白血病17例、急性リンパ性白血病3例、骨髄異形成症候群8例、骨髄増殖性疾患8例、悪性リンパ腫42例、多発性骨髄腫13例、再生不良性貧血7例などでした。

造血幹細胞移植にも積極的に取り組んでおり、同種造血幹細胞移植を2000年2月より2012年12月までに72例施行し、自己末梢血幹細胞移植も41例施行してきました。また、2003年3月より日本さい帯血バンクネットワークの移植医療機関診療科、2012年5月からは非血縁者間移植認定施設(造血細胞移植部として)として登録されました。

さらに、ミニ移植および同種造血幹細胞移植の多施設共同研究にも参加しています。また、複数の新規抗がん剤に関する第I/II相臨床試験の実績を有し、最新の治療を提供できるように準備しています。

一方で治癒不可能な患者さまや高齢の患者さまに対してQoL(生活の質)を損なわない医療も決して忘れないように心がけています。

当科の治療方針

まず、基本的にすべての患者さまに告知を行い、十分なインフォームドコンセントを実施したうえで治療を行います。

急性骨髄性白血病に関しては、適格患者さまに関してはJALSG(日本成人白血病研究グループ)のプロトコールに登録し治療を実施します。また適格基準に合致しない患者さまに関しても、年齢やリスクを十分考慮し、JALSGプロトコールに準じた化学療法または治療強度を減弱した化学療法を施行します。

リスクを鑑み、必要であると判断された症例の対しては同種造血幹細胞移植を積極的に施行します。

急性リンパ性白血病に関してもやはりJALSGプロトコールに登録するもしくは同プロトコールに沿って治療を行います。病型によってはHyper-CVAD療法を施行する場合もあります。Ph染色体陽性例に関してはimatinib(グリベック)ないしはdasatinib(スプリセル)を併用します。高リスク症例には第一寛解期での同種造血幹細胞移植をめざします。

慢性骨髄性白血病に関しては、第2世代チロシンキナーゼ阻害薬であるdasatinibもしくはnilotinibの投与をまず行い、分子生物学的効果を判定し、可能な症例に関しては臨床試験に参加していただき厳重な監視のもと中止をめざします。

骨髄異形成症候群に関しては、リスクを考慮し、高リスク症例には新規薬剤であるアザシチジン(ビダーザ)の投与や多剤併用化学療法(CAG療法など)を施行します。

非ホジキンリンパ腫に関しては、低悪性度リンパ腫(ろ胞性リンパ腫など)に対してはリツキサン併用CHOP療法を施行し、抵抗例にはベンダムスチンを早期に導入します。またRI(アイソトープ)標識抗体ゼヴァリンによる治療も可能です。中悪性度リンパ腫(び慢性大細胞型リンパ腫など)に対してはリツキサン併用CHOP療法を施行し、再発例にはリツキサン併用CHASE療法やDeVIC療法を実施します。高リスクの症例は早期に自家末梢血幹細胞移植を考慮します。末梢性T細胞性リンパ腫にはCHOP療法またはTHP-COP療法を施行し、早期に自家末梢血幹細胞移植を検討します。

ホジキンリンパ腫は、限局期症例にはABVD療法(4-6コース)+放射線療法、進行期症例にはABVD療法6-8コースを施行します。なお、PET/CT検査を効果判定に用い過不足のない治療をめざします。

多発性骨髄腫は、移植適応年齢(65歳まで)の患者さまにはベルケイド+エンドキサン+デカドロン(VCD療法)などで寛解導入を実施し、その後自家末梢血幹細胞移植を行い、さらに地固め療法を行ったうえでレナリドミドなどでの維持療法を考慮します。移植非適応患者さま(66歳以上)にはベルケイド+メルファラン+プレドニン(VMP療法)などを行い、治療抵抗例ないしは有害事象による治療継続困難例に対してはレナリドミドの投与を考慮します。すべての症例にFISH検査などを行いリスクの層別化を行ったうえで治療方針を決定し、また免疫固定法や遊離軽鎖比の測定を実施し綿密な効果判定を行います。

各疾患の最近の変遷

急性白血病は、近年Ara-C大量療法、分化誘導療法、分子標的治療薬などが導入され、その病型および予後因子によって層別化された適切な治療が求められています。また病型によって早期の造血幹細胞移植の実施が検討されるべきです。慢性骨髄性白血病に関しては、有効性が高い第2世代分子標的薬チロシンキナーゼ阻害薬により治療が大きく変化しました。今や内服薬のみで治癒を目指せるかもしれません。悪性リンパ腫も近年開発されたモノクローナル抗体の併用によって、治癒率が向上することが期待され、さらにベンダムスチンなどの有望な新規薬剤も次々に登場しています。また多発性骨髄腫に対しても新規薬剤の導入により生存期間の明らかな延長が期待されます。

造血幹細胞移植の分野では、近年、ミニ移植の導入や技術の進歩により、その適応が、高齢者や臓器障害を有する患者さま、HLA一致ドナーのいない患者さまにも広がってきています。当科においても60歳を超える患者さまへの移植や、HLA不一致移植に積極的に取り組んでいます。

認定情報

日本血液学会認定研修施設

日本さい帯血バンクネットワークの移植医療機関診療科

骨髄移植推進財団非血縁者間骨髄移植施設(造血細胞移植部として)

骨髄移植推進財団非血縁者間骨髄採取施設(造血細胞移植部として)

スタッフ紹介
施設の紹介

造血細胞移植および急性白血病の治療は写真のような病室を利用して行っています。

移植病室(無菌室)A
移植病室B

外来での化学療法は専任看護師、専任薬剤師、当番医師が担当する外来化学療法室で施行します。
(詳細は外来化学療法室のページをご覧ください)

外来化学療法室